『宝石の煌き』- Splendor
2014 年発売。対応人数 2 – 4 人。都合 0.5 時間。
セットコレクション + リソースコントロール + 拡大再生産を短時間で
終わるようにまとめたゲーム。言語依存無し。
コンポーネント! ゲームの用具がそのゲームの体験に与える影響は、大
きいな と改めて思えたゲームである。
コンポーネントはこだわっていてとても品質が高い。宝石トークンの質
感や持った時の重量感は心地良いし、カードの絵の品質は写実的でしっ
かりと時間をかけて描かれているデザインだ。有り体に言うと金がかか
っている。
ゲームのルールは自体はとてもシンプルで多分 A4 一枚に収まる。パラ
メーターの調整はかなり入念にテストプレイされているのだろうな と感
じる事が出来る程度に調整されている。
ゲームとしてこれを小箱サイズで全てのコンポーネントをカードにして
発売していたらあまり話題にならなかったであろうゲームの一つ。
ゲームの仕組みとして良いなと思えたのは、ルールがシンプルな割には
かなり考えないと上手くいかないゲームであることと、かなり考える割
には短時間で終わるという所だろう。少し長考してしまう様な類のゲー
ムではあるのだが、ゲームとして納得できる程度に運も絡むのでほどよ
いバランスと思える。
話題になった当初はかなりプレイされていたゲームの一つではあるが、
ざらっと見たところ致命的な欠陥が見つかっていないので良く事前にテ
ストされたゲームなのだろう。
近年のゲームらしく決定的な差が生まれにくいようなシステムになって
いるあたりも関心する。また、負けた人ももう少しで勝てそうだった と
思わせるあたりは、次回へのリプレイ欲求が高まり良い塩梅だとも思えた。
ところで、ゲームの年間の発売本数は相当数 (約 1000 本?) に及ぶため
長時間ゲームでルールがややこしいゲームであるとリプレイするにあた
り大変な労力がかかる。というのは、発売本数が多いのでコアなゲーマ
ーは次々発売されるゲームを消化していかねばならない という妙な義務
感に駆られているためである。(笑)
そのあたりのマーケットリサーチも良くできていて、コアなゲーマーがリ
プレイしたいと考えていた場合、空いた時間にプレイできる手軽さを兼ね
備えている。ライトゲーマーならルールの説明は簡単でお手軽なので負担
が少ない。そして、ルール説明を受けた新規プレイヤーへはコンポーネン
トが豪華なので触ってみたいと思わせるような魅力がある。
ゲームの仕組み自体がそういった欲求に対応できるしっかりとした屋台骨
に支えられていなければならないし、ゲーム内用具を豪華しても良いと思
わせるだけの面白さを兼ね備えていなければならない。当然価格にも反映
されるため、内容の割にはやや割高なゲームだ。
そう考えると、なかなか戦略的なデザインだ。(笑)
この部分がこのゲーム特有の素晴らしい部分だ と言う様なピーキーな要素
はあまりないように思うのだが、色々な側面で入念に気遣いがされた近代
的なデザインのゲームだ。面白いゲームだと思う。