シャガール展

上野の森美術館シャガール展に行ってきた。

シャガールと交流のあったイジスという人の撮った写真多数とリトグラフ多数、油絵数十枚と言う構成であった。シャガールは、数日前に買った美術名鑑で学習済みであったが、独特の色彩感覚と現代画らしい大胆な画が特徴の画家であると思っていたが、実際に現物を見て、まさにその通りであると確信した。また、画が幻想的な割に重々しいテーマが多いと勝手に思っていたが、意外とそうでもなかった。人間賛歌が見られる画も多数あった。

ちなみに、今日は平日という事もあり、凄く空いていたため、じっくり見る事が来た。現代画は、書き込みが緻密というわけではないので、結構あっさり見る事が出来ると自分では思っており、300点ほど見ても、小 1 時間で回る事が出来た。

良かったのは、「アラビアンナイトの4つの物語」、油絵ほとんど全部(特に、『花嫁の回想』)、サーカス関連の画全部、イジスの撮ったカラー写真(撮り方が上手い)だろうか。

ステンドグラスやオペラ座の天井画を描くという仕事もしていた事は知っていたが、現場の風景が写真で色鮮やかに甦ると、何とも言えない味わいがあり、それだけでドラマティックに思えてしまう。白衣を着て、仕事をしていたのが、印象的だった。後、何となく思ったのは割と社交的で仕事一筋な人なのかなぁ と。
パッと見ると下手で雑な画なのだが、自分で描くとなるとこうは表現できない独特の間と色彩感覚がある。なぜなら、大人になると”現実”を身に纏ってしまうので、緻密性、遠近感、写実性、などの技術的な側面にこだわってしまいがちだからである。また、古代の原住民が描いた画と同様にどこか頭の中のイメージを象徴的に表現しているような錯覚も受ける。”思い出”や”愛”や”幻想”などという形のないモノを画で具現化するとこう表現できる(更に、表現の仕方が大胆なのだ!)といった感じを受けた。

少し関係無いが、グッズを売っているブースで『アンリ・ルソーとマルク・シャガールの絵本』があった。内容を読んでみると、彼らの人生が作品と共に平易な言葉で綴られていると言うものであった。自分は、ルソーが大好きなのであるが、画の意味までは読み解く事は出来なかったが、ルソーの有名な作品には、こういう意味があるんだと言う事を始めて知った。思わず買ってしまおうかと思ったが、荷物になるので辞めた。それに、既に、画自体は、美術名鑑で持っているので。。。

シャガールもルソーも子供には受けは良いかも知れない。どちらも幻想的で想像力を刺激するものだからだ。あまりに社会風刺などが露骨な現実的すぎる画は、大人にとっては良き観賞に堪えるものかも知れないが、子供にとっては、つまらない画なのかも知れない。

まぁ、そんな事をつらつらと考えながら、上野を後にした。


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