ウィンダミア卿夫人の扇

舞台は、19世紀ロンドンの社交界、ウィンダミア卿夫人誕生日パーティでの出来事。

貴婦人(主人公?ウィンダミア卿夫人)の愛する夫の行動がどうも怪しい。
夫の情婦と呼ばれる、とある婦人が、その誕生日パーティにやってくる…。
その情婦、頭が切れる上に、滅法口が上手い。
色々な人の色々な言葉に翻弄されるウィンダミア卿夫人。
夫と嫁で口論することもあれば、女同士の凄まじい舌戦もあり…。
さて、話は2転3転して、意外な結末に!?

ワイルドの喜劇『ウィンダミア卿夫人の扇』を読了!
扇の話が初めのシーンでちょっとだけ出てきて、どこで”扇”が出てくるのかなぁ と思っていたら、最後の最後にキター。
いやー、相変わらずポンポン出てくるお耽美な台詞がカッコヨイ。

「この世の中にはね、二つの悲劇があるだけさ。ひとつは、欲するものが得られないこと、もうひとつは、それを得ることだ」

「経験とは、各人が己の過失に与える名前なり」
「過失なくんば、人生はきわめて退屈なるべし」

作品中にも出てきたけど、
人間は、善人と悪人という単純に2言論で片付けられるだけのものとは考えにくい。
一般に善人と考えられる人も、自分の欲望を満たすだためだけの行動を取ったり、
普段悪人と考えられてる人も、後悔の念や慈悲の心を少なからず持っている。

そういうことを一切合切含めて、人って面白い、素晴らしい。
矛盾しているから、その中で色々なドラマがあって、
時には翻弄されて、非常に悔しく惨めな思いをしたり、
時には、全てを捨てて全力で身をなげうったりできるんじゃないか
と、最近はそう考えてる。

しかし、ワイルドの作品は、
最後まで何回も状況がコロコロ変わって(一筋縄には行かない)、
面白い。


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