永遠回帰

「全ての価値観を捨てよ!全ては永遠回帰なのだ!」
と言ったのは、他でもないフリードリッヒ・ニーチェだ。

表面上の意味を捉えるなら、無限に同じ事が繰り返されるという科学的事実であるのだが、彼の言いたい事はそうではなかったらしい。

無限回の喜びを味わうためには、無限回の苦しみも味わわなくてはならない。当然、そう思考(内省)する行為ですら無限回味わわなくてはならない。
これらの行為を受け入れるためには、(無限回繰り返される)人生その物を愛する事が出来ないといけない と彼は言い放つ。

日々の出来事がある種の異様な虚しさや人生全体がある作業の繰り返しのように悲しく愚かしい気分になる事は当然あるだろう。
これは、実際何か同じ事を実際に繰り返しているわけではないにしろ、瞬間的には無限の虚しさが、そこには存在している。
このように、日常生活は、我々の生きようとする素晴らしい意志を人間の愚かさ、生きる事への虚しさが(瞬間的にも永遠に!)蝕んでいく。

当然、それに抵抗しようとするのは大切だ。
しかし、そのことですら永遠に起こりえる出来事ならば、いっそのこと受け入れてしまう。
また、もうひとつの方法もある。
永遠回帰に新たな意味を与えればいいのだ。(そのことも永遠回帰するのだから)