王太郎3

暗闇の中で子供
The Childish Darkness…

舞城本(『暗闇の中で子供』)を通勤時間で読みまくる。
もー、滅茶苦茶。
話は破綻しまくってるし、伏線張りまくっていきなり、1行で殺されるし。
最後は、ほぼ意味不明。
いや、でもね…。
でもでも、すっごいよ、これ。
普通の小説にはない鋭さがある。
むき出しの現実?がそこにはある。
冷水を浴びせられ、目が覚めるような感覚。
どう考えてもシナリオは破綻しているのに、人をモーレツに感動させる何か獰猛なエネルギーに満ちている。
そして、家族、恋人、友人。
そういった皆が大切に思うものの様々な側面を、恐ろしいほど鋭利に切り取っている。
はっきり言って小説なんて嘘だ。
だから、そこ(舞台装置)で人が死のうが、無茶苦茶酷い目に遭おうが、とてつもない慈悲を見せつけられようが、信じられないような魅力的な人間が現れようが、嘘は嘘。
それ以上でもそれ以下でもない。
でも、小説にも書いてあったけど、まがい物でない真実ってのは、嘘を通してしか語ることが出来ない。
あまりに本当すぎて、まともに語ると嘘に聞こえるのだ。
そーいった奇妙なレトリックが確かにこの小説には存在する。
少なくともそういった手法を、舞城は身に付けている。

と、馬鹿褒めだけど、はっきり言って読む人選びます。
この暴力、残酷さは類を見ません。
しかし、この読了感は独特ですね。

超訳分かんないけどすげーYo! これ。