『ジェノバの商人(Genoa)』alea の黄金時代を支える後期の作品。
忘れっぽいので感想を書いておく。
2001年発売。2009 年に再販されている。兎にも角にも、交渉ゲ
ーム。ゲーム中ひたすら交渉を行う。大体、120分ぐらいかかる。
なので、結構疲れる。交渉と言っても相手を出し抜くための交渉で
はなく、お互いに利害の一致した交渉なので、ギスギスした交渉
にならないのがポイント。さすが、平和なドイツゲーム。
良く引き合いに出されるのが同社の『チャイナタウン』という交渉ゲ
ーム。こちらの方が構造がシンプルで分かりやすいので初心者向
けに思える。どちらも面白いゲームだと思う。
『ジェノバの商人』は、俗に言うドーン(作者名)歩きを利用したゲー
ムで、他のゲームでもドーンの作品では多用されている模様。自
分の所持しているゲームだと、また同社の『ルイ14世』でも使用さ
れている。
ドーン歩きとは、マス目にチップを配置する時の特徴ある配置方法
のこと。
1.一筆書きで配置する事。
2.配置するチップは、だるま落としのようにだんだん減っていく。
初めの手持ちが5個なら、次のマス目が4、その次が3…と言うよ
うな。(元のマスに1個ずつ残していく)
3.チップが無くなるまで移動できる。
ちなみに、ドーンの作品はやたらと特殊効果を使いまくる事も特徴
で、『ジェノバの商人』でも交渉ゲームにしてはやたらと特殊カード・
特殊タイルが多い。
ゲームとして素晴らしいのは、交渉の材料は何を使っても良いと言
うところで、Aさんの手番でBさんの好みそうな商材を手に入れてき
て、それをBさんの手番で交渉の材料に使う と言うような手が打て
る。当然、お金自体も交渉の材料として良い。
交渉の材料は様々ながら、最終的にお金を沢山持っている人が勝
ちというシンプルなルールなので、目的が分かりやすいのが良い。
また、終盤になるにつれて大規模な取引が行われるあたりは、ダイ
ナミズムがあり良いのではないだろうか。終盤は、ほぼ作業と化し
てしまうが、ルールの都合上仕方ない所もある。それを差し引いて
も、十分完成度の高いゲームだ。
また、特殊カード・特殊タイルが多いので得点を得る方法が多彩な
ので、色々戦法が試せそうな所も良い。ゲーマーズゲームであるこ
とは確か。前回プレイした時は、条件がおそらく良かったと思うのだ
が、相当面白かった。
バランス的には、ちょっと所有マーカーが強い気がするが、ある程
度分かった上でプレイすれば差し支え無さそうに思う。
言語依存度は中程度で、少しプレイに慣れがいる。繰り返しプレイ
するには、あまりに疲れすぎるので向かないが、気が向いた時に
良いメンツに恵まれれば至福の時間を過ごせる事だろう。傑作。