クリムト シーレ ウィーン世紀末展

クリムト シーレ ウィーン世紀末展に行ってきた。

クリムトの絵は、Web では何度か観たことあるものの本物は
今まで観たことが無かったが、非常に素晴らしい作品であった。
メインは、クリムトの『パラスアテナ』でこの作品以降、クリ
ムトは金を多用した装飾的な絵画を作ることとなる。記念碑的
な作品である。

まず、初期のクリムトの絵画は、非常に写実的で『接吻』のよう
な特徴的な絵画を作らずとも、そもそも十分に実力を備えた画家
であることがうかがい知れた。また、ギリシャ彫刻にあるような
伝統的なスタイルの絵画が多い様に思えた。

『パラスアテナ』は、そんなアカデミズム寄りの絵画を挑発する
為に作成した絵画のようで、アテナ神が身に付けている首飾りは
舌を出している。伝統にすがる人達をあざけ笑うかの様である。
また、金を使った神々しい兜や武具が非常に印象に残った。
見る者を威圧するかの様な神々しく自信に満ちた眼差しが恐ろし
くもあり、美しくもある。右側の矛のあたりにフクロウ が描か
れているのだが、哲学者ヘーゲルの名言『ミネルバのフクロウは
夜飛び立つ』を思い出してしまった。

ミネルバはローマ神話上での(ギリシャ神話の)アテナを指し、フ
クロウは知恵の象徴であり、アテナの象徴、夜は思考を表すので、
人が物思い(哲学) に耽るのは夜であると言う様な事らしい。

シーレの絵画は若干病的な感じであった。自画像を沢山作成した
らしい。自身に潜む不安、恐れ、欲望などを描写したとのことだ。
たしかに、あまり心地の良い絵画ではないが印象的なのは確かで
ある。

他の作品もなかなか質が良く、良い展覧会だったと思う。思って
いたより近代的な絵画が多く、自分のいつも行く様な絵画展とは
違った感じで良かった。

ミュージアムショップを物色していると、クリムトの描いた絵画
のレプリカが所狭しと飾っており、正直クラクラ来てしまった。
クリムト良いじゃない。素晴らしいじゃない。とかなり気に入っ
てしまった。おそらく当時としては禁忌であった官能やエロスを
テーマに金色で大仰に装飾された絵画は圧倒されてしまった。
特に恍惚感のある表情が、非常に素晴らしい。

と言うわけで、クリムトが思っていた以上に良くて、また好きな
画家の仲間入りですわ。

参考 URL:エッセイの卵 – グスタフ・クリムト


クリムト シーレ ウィーン世紀末展」への2件のフィードバック

  1. >小籠包
    Yo! モンドリアンは知らなかったけど、調べてみたら
    抽象画みたいだね。また、今度チェックしてみるわー。
    ちなみに、カンディンスキーなら知ってるよ。

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