ボードゲームで戦略を考えるとは

まずはじめに
前提として私は『レスアルカナ』で世界で1位を取ったことがある。他には『レースフォーザギャラクシー』、『12季節の魔法使い』、『ジャイプル』、『トゥルネー』はオンラインゲームサイト BGA で ELO 500 の エキスパートプレイヤーである。私が BGA でレートを上げるために考えてきたことを書いていく。長文となる。

一旦ボードゲームにおいて戦略とは、「勝利できるやり方」とする。戦略と戦術の違いは考慮しない。良い戦略を立てるにはどうしたら良いのか。これは簡単ではないが手順がある。それを以下にまとめた。

良い戦略と悪い戦略
そもそも戦略には良い戦略と悪い戦略がある。さて、良い戦略であると判定するためにはどうしたら良いのか。じっくり時間をかけて考えてみても、あの戦略は全く役に立たなかったと言う経験は誰しもあるだろう。ゲームをプレイし手始めに考える戦略とは、自分の頭の中で思いついたアイディアをつなぎ合わせたものである。しかし、これが実戦に耐えうるものなのかは、実証されていない。そこが問題だ。手探りでゲームを進めていき、勝った/負けたとなる。これでは、数をこなしても一定以上の強い戦略を思いつくことができない。

良い戦略を生み出すには、良い戦略を生み出すための「仕組み」が必要だ。それを順番に考えていく。

ところで、逆の観点で自分の考えた戦略が悪い戦略になってしまう理由は2つある。1つは突拍子もない方法で「実現性がない」こと、もう1つは良い戦略だとしても良い戦略かどうかを「チェックする仕組み」がないことである。

解析についての考え方
一般的にボードゲームにおいては解析があまり進んでいないことが多いので、発売初期にアナログで 1-2 回程度プレイしてアーリーアダプターなプレイヤーが「これが良い戦略。あれが良い戦略」と言われがちである。しかし、実際は検証があまり行われておらず BGA などのオンライン化が行われ研究が進んだ後では先に言われた良い戦略は実はあまり役に立たない戦略であったと言う事は結構ある。なので、初期の戦略はあまり信用ならない。TCG で言うところの発売初期はアグロが流行るに近いと思う。

観点を変えて整理すると TCG では基本的な戦略が 3 つある。アグロ、ミッドレンジ、コントロールである。アグロは序盤にゲームを決める早期決着型、ミッドレンジは中盤戦でゲームに勝つ、コントロールは終盤爆発的な動きをして勝つ方法である。アグロは早期決着型なので使用するカードが限られており限定的である。コントロールは基本的に流行りのカードが出されることを考慮するので構築に時間がかかるのである。

それがボードゲームにも言える。良く練られているゲームは、作者の方で意図的にすぐ分かる戦略とやり込まないと分からない戦略が仕込まれている。発売当初はすぐ分かる戦略が中心になりがちであると言う事である。しかし、それが全てでは底の浅いゲームですぐに忘れ去られてしまう。やり込まないと分からない戦略がある事でゲームに深みが増すのである。そういったゲームはとても優れたゲームで現実には数少ないゲームである。

ところで、世間一般ではボードゲームは種類を沢山こなすことが重視されがちなのであまり解析が進んでいないゲームが多い。また、Wiki などのまとめサイトに戦略が書き尽くされていない。つまり、研究の余地のあるゲームが多いという事になる。

それは私のような少数派であるやり込みプレイヤーにはありがたいことだ。

チェックする仕組み
話を戻して、良い戦略とは「チェックする仕組み」が必要であると述べた。それを実施するのはどうしたら良いのか。これは、3つの方法が取れる。

1 つ目はデジタルでオンラインゲームサイト BGA 等でそのゲームに対する統計情報を確認することだ。

勝っているプレイヤーと負けているプレイヤーでは何が違うのか。勝っているプレイヤーと自分とは何が違うのか。それが少し調べれば分かる。こういった情報はネット上にまとめられていることは少ないがとても有益な情報である。逆に言えばボードゲームにおいてはほとんど検索できない。

一般的には自分が初めて触れたゲームは自分で考えた良い戦略を元にゲームを進めていく。これは醍醐味ではあるのだが、より深く知ろうと思うのであればそのゲームで基本の「勝利できるやり方」をまず知るのが手っ取り早いのである。

TCG では先に述べたとおりメタデッキというものが存在し、ある一定の期間でゆるされたカードプールの中で特定のデッキは有効で強いというものがすぐに公開される。(TCG は人口が多いので解析が速い) そのデッキを使ってゲームを学ぶのが TCG では手っ取り早く有効な手段だ。

それと同様に統計情報を元に勝てるデータを入手して「模倣」する。それが大切である。自分のオリジナルの「勝利できるやり方」は基本の勝利方法を知ってからでも遅くない。

2 つ目は、強いプレイヤーの打ち筋を知る事である。アナログであれば、感想戦で自分の疑問に思ったことを聞いてみることが良いと思う。

デジタルであればもっと簡単に確認できる。リプレイデータが保存されているので、上位陣のゲームの履歴を 10 – 20 程度を再生してみると何か分かることがあると思う。自分の打ち筋と明らかに違う打ち筋が発見できるはずだ。疑問に思ったら考えてみると良い。

もしくは、そういった自分では思いつくことができない打ち筋を知る事で打ち筋が多様になる。これが大切である。

リプレイを確認する時間は無駄に感じるときもあるかも知れないが、ただ数をこなして慣れるよりは多くの知見をもたらしてくれるはずだ。

3 つ目の最後の方法も記載しておく。これは Board Game Geek のフォーラムを確認する事である。コミュニティが活発なゲームなら様々な議論が行われている。有用な情報が沢山あるので、英語と臆せず調べてみて欲しい。

まとめ
戦略には良い戦略と悪い戦略がある。良い戦略は良い戦略かどうかを「チェックする仕組み」があると言う事を書いた。なので、自分ではとても良い戦略であると考えていても、それが実戦で本当に通用するものであるかどうかなどは数回プレイした程度では分からない。だから勝ったり負けたりするわけである。

自分の考えを信じるのは確かに大切なことであるが、ある程度ゲームの感覚を掴めたらその感覚を元に上手いプレイヤーと自分はどう違うのかそれを良く分析することが大切である。それは自分なりに分かれば良いのである。もっと良いのは良い師範をみつけることである。

その方法を沢山行っていると他のゲームでも流用できる考え方や一般的なセオリーといった抽象化が進むので、別の全く新しいゲームをやったとしても勝利までの解析が速くなると思う。

以上がボードゲームで戦略を考えることについて私がまとめた内容である。読んでいただきありがとうございました。

追記: 次の記事は実践編


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)