レースフォーザギャラクシー: ゼノの侵略

レースフォーザギャラクシー: ゼノの侵略 (Race for the Galaxy: Xeno Invasion)
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こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。『新共同訳聖書創世記3章24節』

と言う事で、発売された ゼノの侵略 の全容をようやく確認できたのでレビューを書く事とした。基本的には、前作 エイリアンアーティファクト (Alien Artifacts) を踏襲した作りになっている。以下の項目で進めていくこととする。

前提としては、この拡張はとても素晴らしい拡張セットだと思えた。隙の少ない作りになっているので、完成度は高い。

1. 拡張の概要
2. ルール
3. コンポーネント
4. 新カード
5. 侵略ゲーム
6. まとめ

1. 拡張の概要
今回の拡張セットは、arc3 と呼ばれるセットとなっている。既存の拡張セット(arc1、arc2/※1)と混在させることはできない。基本的な変更点は、5 人までプレイ可能となった事、追加カードが約 50 枚追加された事、侵略ゲームというオプションルールが追加された事となる。

追加カードは基本セットのカードとのみ混ぜることができて、大きなルールの変更無しに新カードを試す事ができる。

侵略ゲームは追加カードと合わせてプレイする事が必要で、レースフォーザギャラクシー中級者向けのオプションルールとなっている。

フレーバーとしては、今まで銀河で発見されていなかった新種のゼノ (Xeno) と呼ばれる凶暴な種族が見つかったことにより、プレイヤー vs ゼノという全面戦争の時代に突入した事となっている。

そのため、今回のテーマは III.移住 (Settle) であり、軍事力でもある。

ちなみに、明確には書かれていないがエイリアンアーティファクトでは、エイリアンの遺産の発見がテーマとなっていたので、I.探査 (Explorer) であったと勝手に私は認識している。(専用のアクションカードもあったので)

2. ルール
変更点は色々あるが、大きな変更点は I.探査 (Explorer) で帝国対反乱軍 (RvI) であったようなすべてのカードを手札のカードと一緒にしてから、探査による捨て札を行う事が基本ルールの一部に組み込まれている。

20160229_02また、新たにゼノワールド (Xeno World) という新しい軍事ワールドが追加されている。それに対応して、Xeno と Anti-Xeno という新しい専用のキーワードも追加された。

侵略ゲームは少々細かい処理が多くややこしいが、サマリーが付属しているのでなんとかなるレベルの内容にまとまっている。

日本語訳こちら

3. コンポーネント
コンポーネントは、充実している。カードが約 100 枚と侵略ゲームのプレイに必要なトークン類が色々入っている。今回も専用の木駒が同梱されているものの良く見る円柱の駒となっている。それを総督ディスクという名前で呼ぶ(笑)

入れ替え用 Gambling World カードは今回も無しで、追加カードを含めた専用のコストに関するテーブルがルールブックに記載されている。

新カードは、スタートワールド 5 枚、ディベロップ 20 枚、ワールド26 枚の計 51 枚となっていて、基本セットと組み合わせると帝国対反乱軍よりやや少ないぐらいの山札となる。

4. 新カード
新たに追加された能力のなかで大きな変更としては 3 点ある。具体的には、ゼノ専用の軍事力と、ゼノに対する防御力、ワールドを修復する能力となる。ゼノ専用の軍事力は追加カードのみのルールでも使用するが、それ以外の 2 つは侵略ゲーム専用となっている。

基本的には、侵略ゲームが前提となっている拡張セットであるが追加カードのみでも十分上手く機能するように調整されている。

大まかに見て行くと、基本セットでは軍事関連がやや弱く、青 (芸術品)、茶 (稀少元素) の IV.消費 (Consume) が安定して強い。また、緑 (遺伝子工学) と黄 (エイリアンテクノロジー) はあまり使い道が無いというカード構成になっていた。

それが前作エイリアンアーティファクトでは、上手く調整されてあらゆる方針で進めても問題のないカード構成になっていた。それはたしかに素晴らしかった。

今回は、軍事に焦点が当たっているためゼノワールドと呼ばれる高い軍事力(つまり得点源)が必要なカードが追加されているため、軍事力を上げる事が有用になった。
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緑 (遺伝子工学) は、IV.消費 (Consume) で他の特定の色の製品と組み合わせると高得点化が可能なものとカードのドローが得意なカードが追加された。ただし、単発生産が多い。つまり、IV.消費 (Consume) は得意だが V.生産 (Produce) は得意ではない。

黄 (エイリアンテクノロジー) は、前述したゼノワールドを軍事制圧するための基礎軍事力を高めるための準備用のカードという位置付けになった。

青 (芸術品)、茶 (稀少元素) は、元々強かったため大きな変更点はない。一応、茶は帝国軍 (Imperium) の資産という位置付けになっているようだ。
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スタートワールドも大胆なカードが多く Terraforming Surveyors は、生産能力が無い代わりに I と $ でそれぞれ +2 強化するカードとなっている。

コスト 5 の発展 Galactic Home Front もなかなか強力なカードだ。V.生産 (Produce) で生産数が多ければ手札が増える。また、IV.消費 (Consume) が回ってくるだけで自動的に 1VP は嬉しい効果だし、V で増やした手札を捨てる事で追加で 1VP を手に入れることができる。良く練られている。基本的には侵略ゲームで真価を発揮すると思う。
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5. 侵略ゲーム
メインの要素となるが、ルールが少し煩雑で例外処理が多いのでルールに良く精通する必要があると思う。

今までのレースフォーザギャラクシーで無かった協力ゲーム的な要素が若干導入されている。

基本的には、いわゆる『アグリコラ』であったようなフードサプライに代表されるラウンドの終了時にシステム側が負荷をかけてくる要素が追加された。要は全てのプレイヤーがそれに対応する必要があるというもの。

このゲームでは新しいリソース等を導入するのではなく、それを抽象化し軍事力で基本的に解決することとなっている。

ゼノと呼ばれる種族が一定ターン後に侵略を仕掛けてくるため、打ち勝つ必要がある。負けた場合はワールドが 1 つ使用不能になる。勝った場合は、防衛報酬チップと呼ばれる VP に相当するボーナスを受け取る事ができる。

良くできているのは、対抗する事を諦めたとしても常に受けるダメージはワールド 1 枚が使用不能となる事で、どれだけ損害を受けたとしても打算が利くと言うところ。

それに合わせて、追加アクションカードが各プレイヤーに渡され、V.生産/修復 (Produce/Repair) アクションカードというものが使用可能となる。これは、通常の V.生産 (Produce) の代わりに使用可能で、ゼノの侵略により損傷を受けたワールドを 2 枚修復できる特殊なアクションが使用できる。

損傷を受けたワールドを修復する方法はいくつかあり上手く組み合わせる事で、V.生産/修復アクションに頼らなくても(他人のアクションに相乗りでも)対応できるようになっている。
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その他諸々追加された要素があるが、ゲーム終了時に獲得出来るボーナスタイルも触れておくことにする。これは、嵐の予兆 (GS) であったようなゴールタイルに相当するもので、解決の方法が非常に簡素になっている。ただ、プレイヤー間で目標達成の確認を行う要素が含まれているため、そこにインタラクションが発生するようにもなっている。

このボーナスタイルは、獲得する事が必須と言うことは無さそうで狙えるなら狙う方が良いと言う程度のものとなっている所が良いと思えた。

というのも、嵐の予兆のゴールタイルは無視してしまうと、ゲームから脱落してしまうことが多かったのでゴールタイル前提のゲームとなってしまう部分があったためである。

つまり、カードプレイの自由度がゴールタイルによって制限されてしまう側面があった。それを今回のボーナスタイルでは獲得することは有用ではあるが、無視しても勝負になる程度のバランスとなっている所が良いと思えた。

6. まとめ
今回のゼノの侵略は、全体的に隙の少ない作りで追加カードのみでプレイしても良し、侵略ゲームで違った雰囲気のゲームにしても良しとうまい調整の効いたゲームとなっている。

重要なのは、全てにおいて同時進行するという基本原則に則ってデザインされているためゲームのテンポが落ちないという所がとても良いと思えた。時間は大体 1 ゲーム 30~45 分ぐらいで少しだけ時間がかかるが、侵略ゲームが良くできているので不満に思う事は少ないと思う。

とても良くできた拡張セットなので、長くつきあえそうな気がしている。

参考URL:
レースフォーザギャラクシー: エイリアンアーティファクト
レースフォーザギャラクシー:ゼノの侵略 日本語訳ルール公開
ロール&レースフォーザギャラクシー新作について諸々語るラジオ
BGG: Designer Preview: Race for the Galaxy: Xeno Invasion
BGG: Race for the Galaxy: Xeno Invasion > Full Spoiler Up on racepics.tk

※1
3つまとめて #arc1 (日本語版で発売済み)
GS=The Gathering Storm
RvI=Rebel vs Imperium
BoW=The Brink of War
#arc2
AA=Alien Artifacts
#arc3
XI=Xeno Invasion


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