『デウス』- Deus
2014 年発売。対応人数 2 – 4 人。都合 1.0 – 1.5 時間。
陣取り+ハンドマネジメント+拡大再生産を組み合わせた様な最近よくある複合的な要素のゲーム。言語依存あり。
Perl Games のデザイナーが作ったゲームで、ある程度ゲームに慣れたプレイヤー向け。ゲームとしてのインターフェースは良く整理されていて、プレイアビリティは高い。
カードの言語依存について触れると、特殊効果はテキストとアイコンの両方書かれたハイブリッド型のデザインとなっている。これはとても良いと思えた。初回はテキストを読めば良いわけであるし、慣れてしまえば大きく書かれたアイコンで効果が一目で分かる。
テキストの欠点である他のプレイヤーからの視認性の悪さと、アイコンの欠点である記述ルールを理解しないと何を意味しているのか分からないという両方の欠点を同時に解決している所が素晴らしい。
人数によるバランス調整が行き届いているので、2-4 どの人数でプレイしても良いバランスでプレイできる。おそらく、人数が多くなれば多少は運の要素が上がってしまうのだろうが十分許容出来る範囲に収まっている。これはとても素晴らしい事だ。
基本的なゲームの仕組みはカードゲームなので、それなりに引き運が絡む。20 回程度プレイした印象では、得点バランスも納得のいくものでカードのコストと効果のバランスも良いように思えた。
近年のゲーマー向けのゲームらしく得点を得る方法が多岐にわたっており、ゲームを組み立てる方法が色々あるのが良い。準備の段階でメインボードを作る事になるのだが、『カタンの開拓者』のように毎回ボードの構成が変わるようになっている。カードの総数も多く種類もそれなりに多い特殊効果中心のゲームで、カードの引き次第で展開が変わるのも好印象。
引きゲーかと言われるとそう考えてしまう人もいるかも知れないが、ゲームを通して十分な数のカードを確認する事ができるので考えた作戦が上手く行かないということは少ないと思われる。オンラインでプレイできる BAJ では上位ランカーの勝率は 70-80% 弱となっており、引き運だけではない事が確認出来る。
カードの種類は大きく分けると 6 種類となっており、それぞれ特徴的なデザインになっている。そして、それぞれ重要な役割がある。無駄のないデザインで好印象。
ゲームの特徴的な要素としては 2 つある。
1 つは、カードをプレイすると特殊効果が利用出来るのだが、その後同種のカードをプレイすると過去にプレイした特殊効果を再度利用できるというもの。(当然今回使ったカードの効果も使える) そのため、同種のカードをプレイし続けると相乗効果で 1 回のプレイで最大 5 回まで特殊効果を利用する事が出来るようになる。
もう 1 つは、カードが好みに合わない場合は手札を捨てる事で一時的に自分の好みの効果(例えば、特定資源を得る 等)を利用しつつ手札を整理出来るというもの。(要は引き直す)
引きが悪い場合は、カードを整理する。上手くかみ合った場合はカードをプレイすると言う様にゲームを進めていく。いつかは引き直しが必要なので、その辺のハンドリングも重要である。
過去のカードの累計効果があるため同種のカードをひたすらプレイし続ければよいかというとそういうわけではない所がこのゲームの面白いところだ。ルール上色々な拘束条件があるため、同種のカードを重ね続ける事が良いとは言い切れないのである。
相変わらずあまりゲームの説明になっていないが、良くできたゲームだ。繰り返しプレイできる環境にあるならば、とても楽しめるゲームだ。
その他参考情報
デウスについて諸々語るラジオ | 失われた時を求めて