金星の商人 感想文

金星の商人
1988 年発売。対応人数 1 – 4 人。都合 3.5 – 4.0 時間。

私の所有しているのは、完全日本語版で 2013 年の年末に発売され
たもの。リチャード・ヘムレンのすごろく形式ダイスゲーム。

ゲームとしては今風の言葉で言えば、非常にインタラクションの薄
いダイスを使ったピックアンドデリバリーといえるだろう。ダイスを
使うので移動は運に左右される。

日本語版は FFG のリメイク版となるのだが、オリジナルルールに準
拠した”クラシックルール”と現代風にアレンジをした”スタンダード
ルール”の 2 種が同梱されている。

ちなみに、クラシックルールでのみプレイした感想となる。

コンポーネントの数がとにかく多く圧倒される。また、ルールも 2
冊入っていてそれなりの分量で細かい処理が多い。説明が大変。

では、ゲームとしてつまらないかと問われると SF ガジェットがシ
ステム的にもテーマ的にもしっかり機能しているので良くできてい
るゲームだと思う。戦略性は少々薄めだが、考えればそれなりにい
い手が打てるしルールが多岐に渡るので上手く使いこなすことで効
率を上げることも出来る。

ゲームの目的はお金を稼ぐことで、紙幣が飛び交うためゲームの運
用は煩雑な部類に入る。トークンやらタイルやらがやたらと行き交
うので、ゲーム内の作業を分担して進めていくとスムースに進むの
ではないかと。

ルールの分量の割には比較的素直なデザインのゲームで、個人的に
は良いゲームだと思えた。銀河の全体像が徐々に見えてくる過程も
良くできているし、ピックアンドデリバリー特有の経路計算もテレ
ポートゲートを利用することでエキセントリックな経路を取る事が
出来たり、専用のエンジンを積む事で加速化したりと面白い。

商品を売りさばく事で利益を得る事が出来るのだが、需要と供給の
バランスが状況により変わるというあたりもなかなか良い出来だ。

惑星内に工場を建設したり、惑星に着陸せずとも交易が可能なよう
に宇宙港の建設が行える。それを他のプレイヤーに利用してもらう
とマージンバックがあったりとか。

自分の宇宙船を買い替えて性能を変更したり、エイリアンの遺物を
発見することで未知なるテクノロジーを利用できたりする。

移動時にダイスを振ったあと、ナビダイスというダイスを一つ設定
する必要があり、暗雲に突入した時に行き先を決める手立てとなっ
ているあたりも面白いデザインだ。

複数ダイスを振るのである程度運は緩和されているし、宇宙船の性
能で振るダイスの数が変わるのでそのあたりでどの宇宙船を選択す
るかという楽しみもある。

そして、宇宙船の積載量も制限がある。宇宙船の性能重視で様々な
機材を積むことにするか、商品重視にするのか。宇宙船の移動量を
犠牲にして積載量重視のタイプの宇宙船にするのか。さらには、惑
星にいる旅行者を搭乗させて星間タクシーのように運賃をもらうこ
とも出来る。

そういった古典的な SF ガジェットがシステムに良くマッチしてお
り、テーマが好きならヒットするゲームだと思う。

準備が大変なのが難点ではあるが、それなりに繰り返しプレイに耐
える設計になっていると思う。古典ではあるが、良くできたゲーム。


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