年始初のゲームかんそうぶん

とりあえず、覚えている内に書いておく。今回は、新作が中心。

トラヤヌス』 – Trajan
2011 年発売。対応人数 2-4 人。ルール説明含め都合 3 時間。
エッセン2011 時に発表されたフェルトの意欲作。
得点を得る方法がやたらと多く、ドイツのボードゲームに良くある
要素が色々詰め込まれている。陣取り(エリアマジョリティ)、カー
ドの絵合わせ(セットコレクト)、チキンレース、特定のアイテムを
保持していなければマイナス点(フードサプライ)、特殊能力を組み
合わせてシナジーを発生させる等々。
また、個人ボードを利用し伝統ゲームの “マンカラ” をアレンジし
たシステムを採用している。言語依存もなく、ゲームのシステムや
ルール的にはかなり意欲作と言える。これだけの要素を組み合わせ
ながら、整合性を持ったゲームを製作するあたりは、相当フェルト
は頭が切れる と思えてしまった。
序盤は、ゲームの操作(マンカラ)を上手く使いこなすのに精一杯で
なんて難しいゲームなんだ と皆思ってしまったよう(身内の手慣れ
たゲーマー連中が全員高難易度ゲームと発言という珍しいゲーム)
で、かく言う私自身も何度か操作ミスを行ってしまう。
それなりに慣れが必要なゲームだと思う。また、セットアップが大
変なので、一度プレイしようと思うとなかなか腰が重くなってしま
うタイトルではある。ゲームとしては、良くできていて1番手が有
利な事を除いてはあまり不満点は見つからず、作者曰く自信作との
ことだけあって、ゲーマーならかなりの満足感を感じられるゲーム
ではあると思う。
ゲーム終了後も、頭の中でマンカラをついつい想像して手番の練習
をしてしまうあたりは、不思議な魅力のあるゲームだと思う。
インタラクションもフェルト特有の無視できない程度の適度なイン
タラクションで心地良い。色々な要素が入り乱れて派手なゲームで
はあるので、また機会を見つけてプレイしたいところだ。

ケイブ』 – The Cave
2012 年発売。対応人数 2-5 人。ルール説明含め都合 2 時間。
『K2』の作者の新作。今回は洞窟探索がテーマとのこと。ルールは
それほどややこしいものでは無いが、ゲームの運用がやや煩雑に感
じた。探索の深さを示すトークンを頻繁に置かなくてはならないし、
深さの境界のチェックがトークンを元にタイルの位置や絵から把握
する必要があり、慣れないと分かりにくい様に思えた。
ゲームのシステムとしては、特別な要素は無くて至極真っ当な作り
でいわゆるタイル配置 & リソース管理のゲームである。
まずまずの面白さだとは思うが、ちょっとゲームの運用が面倒な気
がした。

カッラーラの宮殿』 – The Palaces of Carrara
2012 年発売。対応人数 2-5 人。ルール説明含め都合 2 時間。
キースリング & クラマー新作もプレイした。いきなり上級ルール
でのプレイ。ほぼ言語依存も無く、ルール説明はやや長くなってし
まうが、ゲームのシステムとしてはすっきりしたシステム。彼らの
デザインにしては使うリソースやタイルの種類が多めに感じたが、
十分許容範囲。伝統的なドイツのボードゲームと言った作品。
最近の流行りを取り入れている様に思えたが、基本的には重厚で
正統派なデザイン。ゲームとしての完成度は、面白くてジレンマも
分かりやすいゲームだとは思う。また、やや得点差がつきやすい得
点方式に思えた。終了条件に対して、組み合わせを気付くかどうか
のパズルゲーム(『ドミニオン』的な?)に近いと思う。

花火』 – Hanabi
2011 年発売。対応人数 2-5 人。ルール説明含め 1 時間。
『7 Wonders』の作者ボーザの協力ゲーム。協力ゲームなのである
が、会話(情報の伝達)をするための縛りがあり上級者が指示するだ
けになってしまいがちな協力ゲーム = 奉公ゲーム の問題を解決し
ている。
割と面白いゲームだと思う。どこかでギャンブルを打たないといけ
ないので、そのあたりのジレンマが良いと思えた。手持ちのカード
は自分では見えない(『コヨーテ』、『ドメモ』方式)ので、安全と
分かってはいてもプレイするタイミングでは妙にドキドキしてしま
うあたりは良くできていると思えた。
数少ない情報で相手に伝わるかを試す相性チェックゲームだと思う。

チケットトゥライド ヨーロッパ』 – Ticket to Ride Europe
2005 年。対応人数 2-5 人。ルール説明含め 1.5 時間。
素の『チケライ』には否定的であったが、『チケライ ヨーロッパ』
はバランス調整が良い感じに施されていて、かなり完成度の高い良
いゲームに思えた。分かりやすいジレンマやプレイの指針もはっき
りしており、得点バランスも良好。目的カードによる経路の運・不運
はあるものの、納得できる程度の揺らぎだとは思う。と言う事で、
初心者から上級者まで、幅広く対応できると思われるなかなかに珍
しいゲームにイメージが変わる。そのうち、再プレイをしたいと思
えた。

ディクシット』 – Dixit
2008 年。対応人数 2-6 人。ルール説明含め 30-40 分。
フランス産の 2010 年ドイツ年間ボードゲーム大賞を獲得した作品。
なかなかプレイする機会が無く、今回初プレイ。うーん、楽しいゲ
ームだとは思うし、得点のシステムも納得感は高い。だが、なんだ
か想像していたよりは、ちょっと残念なゲームだと思えてしまった。
想像力を使うゲームならワードゲームでもっと良いゲームがあると
思う。かなり敷居が低いのがポイントなんでしょうかね。
盛り上がるかどうかはメンツによると思うが、お題がどうであれ結
局の所、引いた絵(カード)に左右されてしまうので、使い勝手の良
い絵(カード)が引けるどうかな気もする。
盛り上がればいいじゃないか という観点で言うと、これも絵に縛ら
れてしまうので抽象的な現代画が好きかどうかで盛り上がるかどう
かが左右されてしまうような…印象派と象徴主義が好きな私として
は、絵の出来は綺麗だとは思うが、あまり惹きつけられるような絵
は無かったかな。
フランス産のゲームだけに洒落ているとは思うので普段ボードゲー
ムをやらない人にはウケが良いと思う。

マンモス』 – Mammut
2011 年。対応人数 2-5 人。ルール説明含め 1 時間弱。
かなり変わったゲームでルールはかなりインパクトがある。場に並
べられたタイルを取るゲームなのだが、手番が来た場合、取りたい
だけ取って良いという豪快なシステム。もしくは、他のプレイヤー
の所有しているタイルを全部取って、その中から 1 枚返す。
得点方法も多岐にわたり、色々な事に対応しないといけない系のゲ
ームだと思う。そうなってしまうと何を取ればいいのか分からなく
なるが、そのあたりは特殊カード(一部目的カードとなっている)で
指針を示す感じとなっており、良くできている。
また、言語依存も無くすっきりした得点方式なので分かりやすい。
ややマイナーなゲームだと思うが、完成度は高いのでは? ただ、こ
の豪快なシステムが、繰り返しプレイに耐えるかは少し疑問だ。


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