人によって意見は異なると思うが、私の思うところを適当につらつらと。
『ヴァイキング』
基本ゲームを2回プレイ。キースリング単体で発表された珍しい作品。
とりあえず、展開が地味で得点計算がやや煩雑。なので、サマリー必
須だと思えたが、英語版の付属サマリーでなんとかなる。
ゲームとしては競りっぽい感じのタイル購入+タイル配置ゲーで、特
徴的なのは価格を表すボードが回転式であること。特に奇を衒った作
りはなく堅実。全体的なバランスも良く、得点計算も至極納得の行く
構成。時間も1時間以内で収まり、プレイの充実感もそれなりにあり、
良作といえる。
『ブルゴーニュ』
久々にプレイした。その時は3人プレイ。ダウンタイムがやや長いので
やはり2人が最適か? ゲームとしては良く纏まっていて、フェルトのゲ
ームにありがちな終始辛い展開というものはない。要素が非常に多い
のだが、個人ボードやアイコン(抽象)化が上手くできていて、慣れれば
どうと言う事は無い。ゲームの展開は多様であるし、打ち筋も多い。
得点計算のバランスも良いと言える。セットアップが煩雑なので、プ
レイするにはやや腰が重くなってしまうが、プレイ中の充実感はかなり
のもの。完成度高し。
『ハワイ』
1度しかプレイしていないが、とりあえず感想を。ゲームとしては、拡
大再生産を前提とした個人ボードの開発+変則ワーカープレイスメントだ。
メインボードがモジュラー式になっていて、セットアップ時に組み替え
が可能な(『カタンの開拓者』のような)タイプ。また、衝立を使うので、
非公開なリソースもある。
最近よくありがちな得点を得る方法が非常に多岐に渡るもののプレイ中
に行える手番が少ないというゲームだ。このゲームならではのすごく特
化したという所は感じられなかった。また、ゲーム中は終始辛く、初め
になんとなく立てたプレイの指針からぶれてはならず、特化する事を目
指す方が良いようだ。そう言う意味では、深く遊ぼうと思うと繰り返し
プレイを”強要する”作りになっている。その割にはプレイ時間がかな
り長く(約2.5時間)、連投プレイにはやや不向きか?
ゲームの完成度は良くできていて、得点計算も十分納得の行くもの。た
だ、この手のゲームが世の中に溢れる中であえてこのゲームをプレイす
るほどではない様に思えた。また、人数によるゲームバランスの調整が
無かった点も付け加えておく。
『ペロポネソス』
非常にコンパクトに纏まった拡大再生産系のゲーム。やはり、個人ボー
ドを使う。拡大再生産に必要な得点タイルやリソースタイルは競りで解
決する。扱うリソースがやや多い様に思えたが、2度目のプレイでは十分
管理可能な範囲であったので、特に問題なしと感じた。
ルールはやや多いが、それぞれのルールを確認すると納得が行くので、
プレイ中はゲーム特有のルールを忘れてしまうと言う事は無かった。
セットアップ時に各人が固有の都市を担当する(『世界の七不思議』方式)
ため、皆方向性が異なるゲーム展開を目指すこととなる。色々な要素が
含まれている割には手番が少ないと感じる事は無かったので、1度目の
プレイではゲームの持ちうる性能をそれなりに引き出せたと、かなりの
満足感があった。
続けてプレイした2度目では、拡張の『ヘラス』を追加したが、『ヘラス』
を入れた方がより楽しめるのではないかと思う。また、2度目のプレイで
はリソースの管理にも余裕が出てきたため、リソース不足による辛さも
かなり軽減され思い通りにプレイができた。
ゲームとしては、非常に良くできていて今までなぜプレイしなかったの
か? と思えるほど。ソロプレイ感が強い様に思えたが、特に否定的な要
素には思えず全体的に好感触。毛色は異なるが、短時間+拡大再生産
という観点で『グレンモア』、『ウォルナットグローブ開拓史』より良く
できていると思えた。
『コールトゥグローリー』
これも1度のみプレイ。ただ、1ゲームが3試合なので、まぁ、性能は出し
切っただろう。『クレイジーチキン』、『ドライブ』のリメイク。なぜか
テイストが純和風になって復活した。また、バリアントルールが追加され
ている。バリアントルールは2個あるのだが、両方混ぜても問題無いタイプ
なため、今回は両方追加した。
ゲームとしては、割とベタなセットコレクト系のゲームでプレイ中に行え
る事も非常にシンプルにまとめられていて分かりやすい。カードの構成が
ミソだと思うのだ(『ボーナンザ』系のカード構成)が、それがほどよいジ
レンマを産んでいて好感触。カードゲームなのでかなり引きの強さに左右
されるが、コントロールできないと言うほどではない。
そのため、運もあるがそれなりに実力も反映されるタイプという古典的な
ドイツのゲームと言える。まあ、リメイク作品なので当たり前だが。
この手の古典的なタイプは私にはかなり好みなので、すごく爆発するよう
な衝撃があった訳ではないのだが、非常に好感触であった。また、バリア
ントルールも良くできているように感じた。つまり、良いゲーム。
『ゴブリン株式会社』
1度のみプレイ。テーマは面白く、ルールを聞いている時は面白そうだっ
たのだが、枝葉のルールが多くやや煩雑。また、カードのアイコンが分
かりづらく慣れが必要。コンポーネントデザイン先行のゲームに思えた。
一応協力ゲームのようで、ほぼ4人専用。ただ、協力ゲームの割に裏切り
的な要素があったり、相談はできないというルールがある割に相手の行
動を指し示すような指針があるわけではない(徐々に相手の行いたいこと
が開示されていくとかそういうの)ので、ちょっと大雑把なシステムに感
じた。
得点計算にも如実に出ていて、バランスが良い得点配分とはとても思えな
かった。テイストが好きならプレイする価値はあると思うが、ゲームとし
てはややいまいちか。
『ファクトリーマネージャー』
人に譲るために持ち込んだのでルールを読み直していなかった。かなり久
々にプレイしたため、ルールを若干読み込んで4人でプレイ。
『電力会社』のスピンオフ作品。このゲームで気になるのは、ダウンタイ
ムと初期セットアップ時のプレイの手番決めである。特にセットアップ時
の手番決めは、後手がかなり不利なのにも拘わらず何の恩恵もない。
ただ、今回はゲームの展開に特に影響がなかったので私が気にしすぎてい
るだけかも知れない。
ゲームとしては、拡大再生産+競り という今回の記事でも何回か書いたよ
うな気がするタイプで、この手のタイプが作りやすいんでしょうかね。
プレイ中の満足感はなかなかのモノで、自分の工場が徐々に進化していく
様子や収入が増加していきプレイの幅が広まっていく様子などは本当に良
くできていると思う。各タイルの価格設定も絶妙で良いし、終始悩ましく
ゲーマー向けであろう。
また、ダウンタイムが長いので3人が良い。5人は危険だと思う。4人はま
ずまずだが、やや冗長か。
運の要素が極端に押さえられているので、5ラウンド終了のゲームだが、
おそらく4ラウンドでほぼ決着がついてしまうと思われる。(過去の経験上)
また、プロモタイルや拡張タイルが発表されないところを見ると、人気は
それほどでもないのかも知れない。悪いゲームではないのだが、時間がプ
レイ内容の割にかかりすぎるのがネック。佳作。