最終更新日時 2008/06/19
ピーター ガブリエル
ジャンル ロック(民族的)
出身国 イギリス
Official Site Peter Gabriel's Official website
7th Album So
1986年発売  
7th
1.Red Rain
2.Sledgehammer
3.Don't Give Up
4.That Voice Again
5.In Your Eyes
6.Mercy Street
7.Big Time
8.We Do What We're Told
9.This Is The Picture
元GENESISのヴォーカルからソロ活動の道を辿(たど)ったピーター・ガブリエル(ゲイブリエル?)の多分7枚目のアルバム。
ピーター・ガブリエルというと、どうもプログレッシブロックの分野で語られがちだが、Albumによっては、ポップスな曲もあったり、ワールドミュージック的なリズム感があったりと、色んな聴き方が出来るアーティストだと思うんですよ。まぁ、それだけ幅広い活動を行っていたと言う事だと思うんですが…。
で、『So』なのだが、かなりポップな曲に満ちあふれている。とはいえ、後半の曲はかなりワールドミュージック寄りで、パーカッションなどは現地でわざわざ録音したらしく、かなりのこだわりを見せている。ゲストアーティストは、色々参加している様で、ケイト・ブッシュとユッスー・ンドゥールが特に良い働きをしている様に思える。
全体的にはワールドミュージックを散りばめたという感じはあまりなく、トラックによっては民族的になったり、ソウルミュージックになったりで、プログレッシブと言えば確かにプログレッシブ。商業的にはかなり売れた様で、結構聴きやすい曲が多い。
全体的には、曲調は滅茶苦茶民族的な感じではなくポップな感じ。でも、センス良く民族音楽的要素が封入されていて良いです。
5/10
8th Album(Sound Track) Passion
1989年発売  
sound track
1.The Feeling Begins
2.Gethsemane
3.Of These Hope
4.Lazarus Raised
5.Of These Hope-Reprise
6.In Doubt
7.A Different Drum
8.Zaar
9.Troubled
10.Open
11.Before Night Falls
12.With This Love
13.Sandstorm
14.Stigmata
15.Passion
16.With This Love-Choir
17.Wall Of Breath
18.The Promise Of Shadows
19.Disturbed
20.It Is Accomplished
21.Bread & Wine
ピーター・ガブリエルの多分8枚目のアルバム。
ピーター・ガブリエルというと、80年代にロックと民族音楽の融合をしようとしていたアーティストで、このアルバムは元々は映画『最後の誘惑』のサウンドトラックに作られたものだが、中身をより発展させて、それ独自のアルバムとして売り出しだものだそうである。また、WOMAD(World Of Music, Arts & Dance)の第一弾のアルバムらしい。
参加アーティストはかなり多く、パキスタン、トルコ、象牙海岸、バーレーン島、エジプト、ニューギニア、モロッコ、セネガル、ガーナの出身らしい。有名所では、ユッスー・ンドゥール(民族ヴォーカル)、シャンカール(シタール奏者)、ジョン・ハッセル(トランペット)、デヴィッド・ローズ(ギター)など。音楽的にもアルメニア(西アジア カフカス山脈南方の古代国家)の伝統音楽(#1)に基づいていたり、ユネスコから音源を借りてきていたり(#4)、エジプトの伝統音楽(#7)に基づいていたりする。基本的には北アフリカの伝統音楽を背景にしているらしい。
とりあえず、かなり呪術的デス。音楽的にはどれが目立っているという事は無いのだが、各人が上手く配置されトラックごとに色合いを変えながらも、民族的なリズムが色濃く反映されている様に思える。現代楽器となるシンセサイザーやサンプリングされたリズムパターンの使い方が独特で、低くうねる様なメロディを持ち、生の民族音楽に近い様な、だが決してそのままの民族音楽ではない音像を醸し出す。
サウンドトラックという事で控え目な曲が多いが、非常にジャンル分けが難しい音楽。とりあえず、民族的な歌声や民族楽器が沢山使われているので、エスニック度は相当高いデス。
音質はシンセサイザーが若干悪いものの、他の楽器は良い音なので、OKでしょう。
4/10
9th Album Us
1992年発売  
9th
1.Come Talk To Me
2.Love To Be Loved
3.Blood Of Eden
4.Steam
5.Only Us
6.Washing Of The Water
7.Digging In The Dirt
8.Fourteen Black Paintings
9.Kiss That Frog
10.Secret World
11.Bashi-Bazouk
#11はJapanese Bonus Track
ピーター・ガブリエルの多分9枚目のアルバム。
ポーラ・コール(アメリカの歌手)がコーラスで参加していたり、KingCrimsonのトニー・レビンがベースを担当していたりする。他には、アルメニア、トルコ、ケニア、セネガル、ロシア、エジプトなどのアーティストが参加しているらしい。
音楽的には説明しづらいのだが、所謂"ワールドビート"というリズム感に満ちている。現代的な楽器(ピアノやエレキギターやシンセサイザーなど)の隙間を埋める様に民族的な楽器が絡んでくる様な感じで、脇を固めるリズム隊は非常にアフリカンな感じのする土着的なリズムを持っている。全部が全部そういうわけではないが、アルバム全体を通して感じられるリズムは南国やらアフリカやらそういった自然に満ちあふれた律動を感じる事が出来る。
また、彼特有のワールドミックス的な音楽も健在で、ファンクミュージック的な曲やジャズの様な曲も見え隠れする。各曲から感じられるイメージはとても明るいもので、歌詞も深い意味合いを持った"共生"の様なものが感じられる。
また、初回日本盤は、本人に無断で「Bashi-Bazouk」が追加収録されていたため、ガブリエルが激怒、回収騒ぎとなったらしい^^;;。
全体的には、地味な感じなのだが、リズムパターンが民族的で、良いです。やっぱりリズムは重要だと思う。
5/10
10th Album OVO
2000年発売  
10th
1.The Story Of OVO
2.Low Light
3.The Time Of The Turning
4.The Man Who Loved The Earth/The Hand That Sold Shadows
5.The Time Of The Turning (Reprise)/The Weavers Reel
6.Father,Son
7.The Tower That Ate People
8.Revenge
9.White Ashes
10.Downside-Up
11.The Nest That Sailed The Sky
12.Make Tomorrow
ピーター・ガブリエルの多分10枚目のアルバム。
ロンドンに設けられた"ミレニアム・ドーム・ショー"のサウンドトラック用に作られた物らしい。
今までとは一転して、デジタルビートを感じさせる物になっている。とは言っても、そういう曲ばかりではなく、ワールドミュージックなリズムも沢山封入されている。つまり、90年代初頭から使われる様になった電子音+民族音楽という論法である。彼特有の持ち味である色んな音楽を組み合わせてオリジナルの音楽を作る要素も入っているので、一筋縄にはいかない様な作りになっている。毎回アートワークにはこだわりがある様で、中のジャケットも大変凝っている。
解説書を読んでいると、どうもコンセプトアルバムに近い様な作りで、3世代に渡る家族についての物語らしい。農耕(先史)時代。産業時代、未来と各時代毎の世界を描きあげているらしい。
曲の方も大変凝っていて、ラップ調の曲から、クラシックの様な旋律が現れたり、ダンスビート的な要素も入っていたりして、かなり色々な要素が絡み合っている。当然、民族音楽の要素も入っていて、アフリカ、カリブ、中東、オーストラリア、ヨーロッパのトラディショナルフォークなど様々な要素が含まれている。
また、CDエクストラ仕様なので、パソコンで鑑賞出来るデータも入っている。
全体の流れが秀逸だとおもう。世界各地に点在する音楽を融合した様な感じで、しかも、それらの音楽の持つベクトルを1つの形にまとめ上げたのが良い。一曲一曲が世界観を持っているのも良いですな。
7/10

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