最終更新日時 2008/06/19 |
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ジャンル | ニューエイジ(クラシック寄り?) |
出身国 | イギリス |
Official Site | Karl Jenkins Web Site |
1st Album | Songs Of Sanctuary |
1995年発売 | |
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1.Adiemus 2.Tintinnabulum 3.Cantus Inaequalis 4.Cantus Insolitus 5.In Caelum Fero 6.Cantus Iteratus 7.Amate Adea 8.Kayama 9.Hymn |
カール・ジェンキンスとマイク・ラトリッジのプロジェクト ADIEMUSの1st Album。 元々はSoft Machineという名前のプログレッシブ ロックをやっていた人達で、このADIEMUSは、航空会社のCM用に発足したプロジェクトである。 音楽的には、クラシックの要素と民族音楽的(主にパーカッション)な要素とADIEMUS語と呼ばれる架空の言語で歌うミリアム・ストックリー嬢の三竦(すく)みとなっている。ミリアム・ストックリー嬢の歌声は、とても独特なもので、南アフリカ出身である事もあってか、エスニックな要素を持ちつつ、ビブラートのほとんど無い歌声で、さながら"歌声"という楽器のように多彩な声域を持っている。多重録音されたミリアムの声はとても幻想的である。 また、1st Albumでありながらも、音楽的な方向性は既に完成の域に達していて、以降のAlbumでも変化はあれど、根本的な方向修正は行っていない。 クラシックの難解な要素も無く、それでいて、ポップスの様な音域の制限された音楽でも無く、圧倒的なオリジナリティを持ちながらも、万人に受け入れられる懐の広さがあると思う。それに加え、マニアックになりがちなこの手の音楽の中では群を抜いて、"明るい"楽曲が多い。 全体的には、とても明るい(天国的な明るさ?)を持っているサウンド作りで、オリジナリティ&曲の説得力共に高いサウンド。 日本では、NHKの『世紀を越えて』のテーマソングで一躍有名になった。 ![]() |
2nd Album | Cantata Mundi |
1997年発売 | |
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1.Cantus-Soung Of Tears 2.Chorale I(za ma ba) 3.Cantus-Song Of The Spirit 4.Chorale II(roosh ka ma) 5.Cantus-Song Of The Trinity 6.Chorale III(vocalise) 7.Cantus-Song Of The Odyssey 8.Chorale IV(alame oo ya) 9.Cantus-Song Of The Plains 10.Chorale V(arama ivi) 11.Cantus-Song Of Invocation 12.Chorale VI(sol-fah)/Cantus-Song Of Aeolus 13.Chorale VII(a ma ka ma) 14.Hymn(Japanese Bonus Track) |
ADIEMUSの2nd Album。このAlbumから、カール・ジェンキンスのソロ プロジェクトになっている。 音楽的には今までのものを周到したものに、クラシカルな楽章(Cantus)と賛美歌(Chorale)を交互に組み合わせたものとなっている。また、オーケストラの表現力はとても大仰になり、音質もとても良い。曲調は明るいだけでなく、緊張感のある楽曲や物々しい雰囲気を持つ楽曲など表情は多彩になっている。ダークだと思える様な曲はないので、ADIEMUSらしいと言えば、ADIEMUSらしい。 使っているパーカッションも世界各地のものをサンプリングしている様で、様々な音が聞こえてくる。ミリアムの声は相変わらず"音源発生マシーン"っぽさ炸裂で ^^;;、オペラ調の歌い回しから、民族的な歌い回しや、ホワホワした天使風の歌声と誠に多彩な歌声を発揮している。 で、この3つの要素を非常に上手い具合に融合していて、違和感の無いサウンド作りにはなかなか感心させられる。 曲の構成は、クラシカルな部分の比重が強くなり、曲の高級感というか知的な感じのするAlbumになっていると思う。ちなみに、ジャケットは日本盤のもので、レーベル会社はADIEMUS=イルカをイメージさせたいみたいデス。 ![]() |
3rd Album | Dance Of Time |
1998年発売 | |
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1.Corrente(courante) 2.Un Bolero Azul(blue bolero) 3.La La La Koora(landler) 4.Dawn Dancing 5.Kaya Kooya(rumba) 6.Intra&pavan 7.Minuet 8.Rain Dance 9.African Tango 10.Zarabanda(saraband) 11.Ein Wiener Walzer(a viennes waltz) 12.Hymn To The Dance 13.Dos A Dos(square dance) |
ADIEMUSの3rd Album。このAlbumから、ADIEMUS Singersと呼ばれる6名のコーラス隊が加わっている。 今回は舞踏会とテーマとしたものとなり、ルンバ、タンゴ、ボレロ、フォーク・ダンス、ワルツなど各地のダンスを取り入れたものとなっている。 楽曲的には、展開重視であるのか、始めは地味なものが多い。また、多数の歌手を使っている事によるものか、今までのアルバムで最も無垢な(もしくは絢爛な)イメージを受ける曲が多い。今まで通りクラシック+民族楽器+アディエマス語を歌うミリアムの三竦みは健在である。クラシックも小気味よい(特にフルート)感じで、2nd Albumの様にのしかかる様な感じの曲は少ない。どちらかというと、歌メインになった感を受ける。 ややまったりした展開の楽曲が多く、好みの別れるアルバムかも知れない。後半は展開の凝ったものが多いので、聴き応えはあると思う。 #10はユネスコ・コンサートの用に作った曲で「U・N・E・S・C・O」という歌詞でのみ歌われているらしい。 全体的には、とても聴きやすくなっている。ただ、中盤がマッタリしすぎてちょっと辛いかも知れない。 ![]() |
4th Album | The Eternal Knot |
2000年発売 | |
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1.Cu Chullain 2.The Eternal Knot 3.Palace Of The Crystal Bridge 4.The Wooing Of Etain 5.King Of The Sacred Grove 6.Saint Declan's Drone 7.Salm O "Dewi Sant" 8.Connla's Well 9.The Dagda 10.Children Of Dannu 11.Ceridwen's Curse 12.Hermit Of The Sea Rock 13.Isle Of The Mystic Lake 14.Math Was A Wizard |
ADIEMUSの4th Album。 このアルバムは、ドキュメンタリー番組『The Celts』の音楽として依頼されて作られたもので、ケルティックな要素があちらこちらに見受けられるアルバムになっている。 元々、カール・ジェンキンスはウェールズ地方出身だった事もあってか、ごく自然にADIEMUS サウンドに溶け込んでいる。今までの三竦みは3rd Albumでどうも煮詰まった感を与えた様な気がしたが、ケルト ミュージックを上手い具合に封入する事により新鮮味を与え、曲の基盤もより頑強なものになった様に思える。また、ADIEMUS Singersは使っていない様で、楽曲の構成全体で聴かせる様な曲が多い。 曲の雰囲気は2ndと3rdを組み合わせた様な雰囲気で、緊張感のある曲とまったりした曲がバランス良く並んでいる。また、ディズニー映画に使われてもおかしくない様な、健康的で優しい音色の楽曲が満載である。録音状態は相変わらず良質で、笛の音色などは、かなり鮮明で良いと思う。音質に関係あるかは微妙だが、ソロで何かの楽器を弾くというフレーズが今までより目立っており、他の音にかき消されない為に、音の余韻がとても良い。 日本語盤では、題材となったケルト神話の解説文が入っており、曲の理解を深める上でとても好印象だった。 全体的には、ケルトの音楽が加わった事により、三竦みに新たな解釈を与えている様にも思えて、新鮮味があって好印象。 ![]() |
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