最終更新日時 2008/06/19 |
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ジャンル | ゴシック・メタル |
出身国 | イギリス |
Official Site | Official Anathema Web site |
1st Album | Serenades |
1993年発売 | |
1.Lovelorn Rhapsody 2.Sweet Tears 3.J'ai Fait Une Promesse 4.They (Will Always) Die 4.Sleepless 5.Sleep In Sanity 6.Scars Of The Old Stream 7.Under A Veil (Of Black Lace) 8.Where Shadows Dance 9.Dreaming: The Romance |
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Anathemaの1st Album。 このころは、かなりノイジーなMetalをやっていた。音質もかなり悪い。おまけに、曲の質がまだまだ安定していない。(Vo)は、2ndでは解雇されるダーレン・ホワイト。唸るようなデス声なので、ちょっと癖がある。というわけで、後期のアルバムと比べると、暗黒面のメタルカラーが強く、ズルズルと引きずるような重いリフを多用して、なかなかに聴きづらいデス…。 #3は、儚げな女性ヴォーカルとアコースティックを絡め、寂寥感がありロマンチックだ。#4は、キーボードの使い方が印象的な曲だ。宇宙空間を感じさせるような壮大な終わり方が印象的なナンバー。#5は、3rd Albumでリメイクされる。メンバーはこの曲が好きなのだろう。そして、#9だ! 20分インストゥールメンタルでプラネタリウムみたいな効果音がずーと流れている! うーん、まー、寝る前とかエエ感じかな。 初期のAnathemaはちょっと癖がある。夜一人で陰鬱な気分になりたい時のお供にどうぞ! |
2nd Album | The Silent Enigma |
1995年発売 | |
1.Restless Oblivion 2.Shroud Of Frost 3....Alone 4.Sunset Of Age 5.Nocturnal Emission 6.Cerulean Twilight 7.The Silent Enigma 8.A Dying Wish 9.Black Orchid |
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Anathemaの2nd Album。 若干アンダーグラウンド的な匂いのする仕上がりになっている。かといって必ずしも悪い訳ではなく、既にAnathema Soundが見え隠れする非常にクオリティの高い音像を感じる事が出来る。どこか沈痛で、寂寥感を感じさせるあのSoundである。また、このバンドの特徴として、メロディの豊富さがあげられると思う。 ゴシックメタルにありがちな"雰囲気物"ではない(確かに、雰囲気作りも秀逸だが)、印象的なメロディをあちこちに配置してあるので、聴き終えた後、妙な充実感を感じる事が出来る。 全体的には、英国らしいどこか知的なSoundで、静かで、メロディも嫌味ではない様に感じる。ヘヴィメタルという中で静けさを重視したAnathema、2nd Albumから既にクオリティは高水準。 |
3rd Album | Eternity |
1996年発売 | |
1.Sentient 2.Angelica 3.The Beloved 4.Eternity Part I 5.Eternity Part II 6.Hope 7.Suicide Veil 8.Radiance 9.Far Away 10.Eternity Part III 11.Cries on the Wind 12.Ascension 13.Far Away(acoustic) 14.Eternity Part III(acoustic) 15.Sleepless '96 #13-#15はJapanese Bonus Track |
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Anathemaの3rd Album。 どうも方向転換したらしく、ゴシックメタル的な退廃的且つ重い物を引きずっている様な演奏という感じはほとんど無い。日本語版をGetしたのだが、やたら長く73分ぐらい収録されている。と言っても、無闇に長いという感じはしない。 流麗でメタリックなメロディと耽美な歌詞が一貫して流れづつけるのだが、プログレッシブロックの様にあちこちに音の仕掛けがしてあり、不思議な世界を持っている。 キーボードのセンスが良く、時々近未来的な雰囲気を醸し出している。また、途中で挿入されるインストゥールメンタルも凝っていて、女性の語りがあったり、ホワホワした感じの雰囲気を持っていたり、なかなかに面白い。また、パイプオルガンの様な音色やストリングスも登場したりして、展開はかなり複雑。その分、まったりしている。ヴィンセント・キャヴァナー(Vo)は、かなりモッタリした歌い方で、かなり癖がある。慣れてくると、こういうのもありかな と思う様になった。 宇宙空間を意識させる様な伸びがあり、ふわふわした浮遊感のあるメロディは特徴的なので、メタルよりかはENIGMAやらDeleriumなどの怪しい雰囲気に近いかも。(近いだけでメタリックなので、悪しからず…) ボーナストラックは、アコースティックギターをふんだんに用いている。#15は、1st Albumのリメイク曲。 全体的には、音楽的な仕掛けはふんだんにあるので、良いと思う。メロディは耽美や虚無的な感じで単純な綺麗さではないので、やや好みが別れそう。 ちなみに、Anathemaとは邦訳すると"破門"や"呪われたもの"を意味する。強烈すぎる名前ですな。 |
4th Album | Alternative 4 |
1997年発売 | |
1.Shroud of False 2.Fragile Dreams 3.Empty 4.Lost Control 5.Re-connect 6.Inner Silence 7.Alternative 4 8.Regret 9.Feel 10.Destiny 11.The Silent Enigma #11はJapanese Bonus Track |
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Anathemaの4th Album。 ジャケットが白に!? 宇宙服を着たマリアらしい。曲調も非常にまろやかな感じになり、棘々しさが無くなった。曲もコンパクト化。かつてのノイズの中に光る流麗なメロディが無くなってしまったのは非常に残念だが、曲自体の出来はなかなか良い。メロディの押しと引きがゆったりと流れるたゆたうような感じは変わってないのが救いか。ヴィンセント(Vo)は様々な歌い方を試みており、歌の扇情力はかなりのモノ。 Anathemaの特徴として、曲単体はそれほど惹きつけるような曲は無いのだが、全体に漂う悲壮感溢れる繊細なメロディが魅力で何となく全曲聴いてしまう。そんな心地よさがある。夜一人で是非聞いて欲しいアルバム。 |
5th Album | Judgment |
1999年発売 | |
1.Deep 2.Pitiless 3.Forgotten Hopes 4.Destiny Is Dead 5.One Last Goodbye 6.Make It Right (F.F.S.) 7.Parisienne Moonlight 8.Don't Look too Far 9.Emotional Winter 10.Wings of God 11.Judgement 12.Anyone, Anywhere 13.2000 & Gone |
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Anathemaの5th Album。 4thまでは、Gothic Metal的カラーを持っていたが、本作では、メタル色は払拭され、素のロックともいえるような音楽性に変わってしまっている。 全体的な完成度はかなり高いといえるんではないだろうか? まず、全体的に鬱蒼とした曲調でまとめられていて、一つの整合性を持って聴く事が出来る。曲のクオリティ的にもきちんと聞き所がきちんとあり、良い。ダラダラ弾くだけじゃなくて、ピリリとした味付けがしてあって。キーボードを使った空間的なサウンドは巧い。後半になるにつれて徐々に盛り上がるのも良い印象を与える。歌詞も陰鬱な感じで良い。#5なんかはグッと来ましたね。 蕩々と語られる悲しきメロディに、ただただ涙。ヴィンセント(Vo)の声は、私は男ながらやられてしまいます。陰鬱男が語る陰鬱メロディ…カッコヨイ! |
6th Album | A Fine Day To Exit |
2001年発売 | |
1.Pressure 2.Release 3.Looking Outside Inside 4.Leave No Trace 5.Underworld 6.Barriers 7.Panic 8.A Fine Day To Exit 9.Temporary Peace |
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Anathemaの6th Album。 全体像としては、かなりまろやかになったので、一見さんお断り度は激減。9曲目の後に入っているシークレット トラックはかなりPINK FLOYD的な味わい。 ヴィンセント(Vo,G)曰く「ジェフ・バックリーやRADIOHEADにより近い」とライナーに書いてあったので、かなり苦手系の音楽かな と思いつつ、プレイボタンをポチッと押す。 そこから流れてきたのは、確かに現代流の味付けに充ち満ちた紛れもない"素のRock"だった。(この手のロックってもう廃れて、逆に珍しいとも言える) しかし、聴き進めるにつれ、彼らならではの物憂さと意味深さを感じさせる叙情的なメロディをあちこちに忍び込ませてあるので、全て聴き終える事が出来た。(Track2あたりは辛かった ^^;;) 静寂感や漠然とした不安感という題材をを味付けは違うかもしれないが、根幹的な部分では何ら変わっていないAnathemaらしい手法で描いているように思える。 しかし、初期の頃の流麗なメロディとノイズの絶妙な融合が無くなってしまっていて、メロディ自体もどこか刺々しさが無くなってしまい、ちと物足りないのも事実。 ヴィンセントは、昔のAlbum聴かないとか言ってるけど、やっぱり僕にとっては、初期のAnathemaの方が神懸かり的で良いように思える。これは、Heavy Metal的な観点故なのか? |
7th Album | A Natural Disaster |
2003年発売 | |
1.Harmonium 2.Balance 3.Closer 4.Are You There? 5.Childhood Dream 6.Pulled Under At 2000 Metres A Second 7.A Natural Disaster 8.Flying 9.Electricity 10.Violence |
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Anathemaの7th Album。 今回購入したCDはデジパック版、かなり扱いづらいデス…。 う〜む、CD出すたびにどんどん地味になっている様な気がする。7th Albumは、環境音楽っぽい味わいになってしまった。ファンを削ぎ落としていくつもりなんだろうか? 憑き物が落ちたかのような、あっさりとしたメロディが多数を占める。しかし、全10トラック55分をしっかり聴かせるあたりは、あながち間違った方向とは言えなさそうだ。少なくともメタルを期待して聴かない方が身のためではある。 秋や冬の雨のしとしと降りしきる夜長に切々と奏でられる灰燼のメロディと言った感。 曲自体は、なかなか良い曲が多い。#4はオフィシャルサイトで発売前に公開されていた曲で、テクノのアンビエントの様な感じを受ける。静かで鬱然としたメロディが繰り返される。#6は、唯一アグレッシブな曲で印象的なメロディを奏でている。#7は静かに奏でられるピアノをバックに囁くように、ヴィンセントが歌っている。#10は10分近い曲で、中盤は意外にもドラマチックに盛り上がっていく曲だ。 これから先彼らはどこに向かっていくのだろうか? とりあえず、追いかけてみよう…。 |
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