『インペリアル(Imperial)』

2006 年 RioGrande 版を所有。マック・ゲルツのロンデルシステムを利用
した経済ゲーム。2-6 人までプレイ出来る。おそらくベストは 5 人。ほ
ぼ、言語依存 0。また、運の要素もない。

基本的なゲームシステムは、マック・ゲルツお得意のロンデルの輪を使っ
たアクションの選択を行い、国家の拡大を目指す。ターン制の経済ゲーム
である。プレイ時間は、120-180 分。ルールはそれほどややこしいもので
はないが、つぶし合いになるので時間がかかる。

プレイヤーは投資家となり投資を行った国家の拡大を行い、自身の資産を
増やす事が目的となる。そのため、国家の資産とプレイヤーの資産が分離
されているので、注意する必要がある。また、最大投資を行ったプレイヤ
ーがその国家の運営を行う権利があるが、複数のプレイヤー間で一つの国
家に投資する事が起こりうるので、運営方針を相談しながら進める事が多
いだろう。

テーマとしては、ヨーロッパの第一次世界大戦に設定されていて、軍事拡
大や戦争を行って領地の奪い合いをすることになるので、個人攻撃可能な
シビアなゲームではある。

戦争がメインではなく、このゲームは(領土に関する)交渉がメイン(ルール
に明確な記載があるわけではないが、交渉を行うゲームになりがちであっ
た)である様に思う。ただ、納得がいかなければ攻撃を仕掛けることが可能
であるがおおよそ泥試合になることが多いので、ゲーム終了時の疲労感は
相当なもの。

ある国家に対して最大投資を行ったプレイヤーがその国家の運営権を得る
事が出来るために、上手く投資を行って危機を回避出来る事もある。

基本的には上手く運営を行っている国家に対して、投資を行うことになる
ので、その国家は更に資金が潤沢になりより有利になる。また、凹まされ
た国家は投資される可能性が下がるので更に辛い状況に追い込まれるケー
スが多い様に思えた。

ある時点を皮切りに領土が安定してしまうので、以降は作業的な手続き(
換金的な?)になってしまうので、少し興醒めする部分もあるが、全体的
には好きな人にはたまらない作品なのではないだろうか。

個人的には、3 回ほどプレイしたが、かなり辛いゲームだな という印象
また、一対多となってしまうとどうしようもない部分が多く、交渉に失
敗した後、敗者の作業プレイが続く割に拘束時間が長いゲーム(運の要素
が無いので、逆転がかなり難しい)なので、他にもっと良い時間が過ごせ
るゲームがあるんじゃないかと思ってしまう。自分の担当する国家の戦
績はボロ負けで、資産が2位とか (実質的にゲームの順位は 2 位) は、
あまり嬉しくなくかなりげっそりしてしまった。

濃度の濃いゲームなので、上手く回れば非常に良いゲームだとは思う。