袋の中の猫フィロー 感想文

袋の中の猫フィロー』- Felix: The Cat in the Sack
2007 年発売。対応人数 3 – 5 人。都合 0.5 時間。

短時間で終わる競り&ブラフゲーム。言語依存は無い。

小粒な作品ながら鬼才フリーゼらしい変わったゲームだ。

一般的な競りゲームは競り対象となる品の価値があらかじめ分かっている。そうだからこそ値付けが出来て駆け引きが発生するわけである。

このゲームでは、競り対象となる品の価値が順番に開示されていく事になるので、初めの段階ではどの程度価値があるのか明確に分からないまま競りを行っていく事になるという点が一番特徴的な要素だ。

さて、ゲーム準備の段階に戻すと全員に同じカードセットが配られて、ランダムに 1 枚抜く。これで全員のカードの構成が不揃いになるし、カウンティングが厳密に効かなくなる。とても良いルールだ。カードセットの中にはマイナスの価値のカードも入っている。

細かいルールは端折って、カードを全員セットして競りを開始する。開始時には 1 枚目だけ分かっている状態で競りをする。1 人が抜けたら 2 枚目を公開する。これを繰り返していくと最後の 1 人になったときに全てのカードが公開される仕組みになっている。ただし、抜けたプレイヤーはお金がある程度もらえる仕組みになっている。これは最後まで我慢する方が沢山もらえる様になっている。

値段をつり上げるか否かと言う部分について段階的に情報が公開されていくというシステムはなかなか珍しいゲームである。あと、1 枚は自分でカードをセットしているので競り開始前にもある程度判断の余地がある。その辺のさじ加減も良い。

短時間で終わる割にはなかなか面白い要素のあるゲームだ。ただ、1 発勝負で決まってしまう時があったり、上記のシステムから競り勝つ事が良いとは限らない(競り勝っても、実はマイナス点だったと言う事が起こりうる)ので、とても揺らぎのあるゲームだ。あっけなく終わってしまう事もあれば終盤まで読めないドキドキした展開になる事もある。

他には、人数によるバランスの調整が行われるので人数による依存性があまりないのも好ましい点だ。

ともあれ、システムはかなり変則的で面白い。なかなか良いゲームだ。


袋の中の猫フィロー 感想文」への2件のフィードバック

  1. このゲームは競りゲームは競りに勝つことが必ずしも良いこととは限らないという常識を覆すようなゲーム性がいいですね。
    パスするごとに競りの対象が開示されていくというのも、非常に面白いシステムだと思います。

    最終的には手放してしまいましたが、4人以上で遊べる機会が豊富にあればまた再入手して遊びたいと思うゲームでもあります。

  2. >マクベスさん
    お久しぶりです。
    そうですね。かなり変わったゲームですよね。

    軽く調べましたが、今でも入手可能なゲームな様です。

    ではでは。

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